解決事例

弁護士費用

相続YesNoチャート

よくあるご相談

ヘッダー画像コラム

遺産に不動産があった場合に起きる問題とは

遺産に不動産があった場合に起きる問題とは イメージ

不動産を相続する(すでに相続した)場合の遺産分割には、解決に時間のかかる複雑な問題が起こりえます。不動産相続に関する問題でよく起きてしまう問題には以下のようなものがあります。不動産を相続した場合に起きる問題について解説します。

目次

こんなお悩みないですか?

遺産分割に関して、相続財産の中に不動産が含まれることで、以下のようなお悩みをお持ちではないですか。

  • 不動産に関して、分割方法について意見が分かれてしまい、もめている
  • 相続財産の中に不動産が含まれているが、どのように評価したら良いのか分からない
  • 実家(不動産)を自分が相続しそうだけれど、このまま残すべきか、売って換価分割したらいいか迷っている
  • 他の相続人が主張する不動産評価額に納得できない
  • 不動産を相続人全員で共同して売却し現金を手にしたいが相続人間で話が進まない
  • 両親が亡くなり、両親が住んでいた自宅不動産を取得して居住したいが、他の相続人に代償金を支払えない
  • 不動産を他の相続人に相続してもらい、代わりに代償金を受け取りたいけれど、代償金の支払いを拒否されている
  • 相続財産の中にあるマンション・アパートを相続したい
  • 相続財産の中にある賃貸マンションの賃料収入や土地の賃料収入を分けてもらいたい

このような問題を解決するには、相続・不動産の両方に関して幅広い知識が必要となります。なぜなら、「不動産の評価額はいくらになるのか」といった問題や「不動産を相続人間でどのように分割するのか」といった問題などには、不動産に関する専門的な知識が必要とされるからです。

不動産の分割方法についてもめている場合

遺産分割における不動産の分割方法には、次の4つの方法があります。現物分割、代償分割、換価分割、共有分割になります。
それぞれの分割方法のメリットとデメリットについて説明します。

下記のどの方法を選ぶかは、その時の状況によって変わります。

①現物分割

不動産を物理的に分割する方法となります。たとえば、土地を分ける場合、1つの土地を分筆した上で、相続人がそれぞれ、分筆後の土地を取得することになります。

メリット デメリット
被相続人が残した不動産を売却せずに受け継ぐことができ、土地を相続人の人数で分けるというシンプルな方法です。 土地を複数に分ける場合、土地の分け方によっては公平な分割をすることが難しく、一部の相続人から不満が出ることもあります。また、測量や登記等で出費や手間もかかります。
場合によっては、不動産を分筆することによってその不動産の価値が下がってしまうことがあります。

②換価分割

不動産を売却しお金に換えて、そのお金を分割する方法となります。

メリット デメリット
不動産を売却した上で、売却代金から諸経費を引いた金額を分割することになります。現金という形ではっきりとした数字が見えるため、不満は起こりにくく公平な分割といえます。 不動産を現状のまま維持することができなくなります。

③代償分割

相続人の1人が不動産を相続し、不動産を取得しない他の相続人に対しては、不動産を取得した相続人が相当額の対価を金銭で支払うことになります。

メリット デメリット
相続人の1人が不動産の取得を希望している場合には、不動産の取得を希望しない相続人に対して金銭を支払うことで問題が解決できるため、不平や不満が生じにくいといえます。 不動産を相続する者は現金を負担しなければいけません。不動産の評価額次第で、代償金を用意する負担が大きくなってしまいます。

④共有分割

不動産を複数の相続人の共有の財産として、共有名義で受け継ぐことになります。

メリット デメリット
特に話し合う必要がありません。 共有者全員の同意がない限り、不動産の売買や大規模改修工事をすることができません。

どの分割方法にもデメリットは発生します。どの方法で分割するかについては、相続人全員で慎重に話し合い決める必要があります。分割方法に関する不動産問題で悩まれている場合、弁護士に相談してみることで解決できることもあります。
実家(不動産)を自分が相続しそうだが、売却して他の相続人と換価分割した方がいいのか迷われている場合にも、現状を確認した弁護士が、アドバイスすることができます。

不動産をどのように評価したらいいのか分からない場合

不動産には、複数の評価方法があります。どの評価方法を選択するかで不動産の評価額というのは変わってきます。それぞれの評価方法について解説します。

不動産の評価方法について

不動産の評価方法には主に4つの評価方法が存在します。
実勢価格、公示価格、相続税路線価、固定資産税評価額の4つとなります。

実勢価格とは

実際に市場で取引される価格であり、時価になります。

公示価格とは

公示価格とは、全国の標準地に定められた地価であり、すべての土地に対応しているわけではありません。

相続税路線価とは

相続税を算出する際に基準として用いられる価格です。国税庁が定めた路線価図という地図を使って評価額を算定しています。

固定資産税評価額とは

固定資産税の評価に利用される評価額です。相続税路線価と異なり、建物についても評価額が算出されます。


遺産分割協議に用いられる評価方法とは

4つの方法の中で実勢価格を用いて不動産を評価するのが一般的とされています。裁判所では、不動産の遺産分割に関して実勢価格を用いて判断されます。相続税路線価や固定資産税評価額は、相続人同士が合意しない限り基準とすることができません。

ただし、「どの評価方法を使うべき」といった決まりはないので、相続人全員が合意しているのであれば、相続税路線価や固定資産税評価額など実勢価格以外の評価方法を使用しても問題ありません。

実勢価格はどうやって評価されるのか

実勢価格の算定方法は、不動産仲介業者に査定を依頼する方法や、不動産鑑定士に鑑定してもらう方法などがあります。査定を依頼した業者によって金額に違いがあるため、通常、何社かの不動産業者などに査定を依頼し、その中間の評価額を採用することが多いです。
また、不動産鑑定士に依頼した際、鑑定費用がかかってしまうことに注意する必要があります。不動産の件数によっては、高額な鑑定料が請求される場合もあります。実勢価格で算出された評価額に相続人全員が納得し、合意できれば、その評価額を基準として、遺産分割を行うことができます。
もし、実勢価格の評価額に当事者全員の合意が得られない場合は、調停や訴訟となり、裁判所が選任した不動産鑑定士の鑑定によって、評価額が決まります。

代償金の支払方法について

相続人同士の話合いの結果、不動産を代償分割する場合、不動産を相続することになった相続人は、他の相続人に対して相当額の代償金を支払う必要があります。代償金の支払能力があることが要件となります。代償金が高額の時は、銀行支店長名義の融資証明書、預金の残高証明書、預金通帳の写しを提出する場合もあります。
代償金の支払は、即時に支払われることが原則となっていますが、状況によっては、①分割払いや②期限の猶予も可能となります。また手持ち資金がなく代償金を支払うために、すでに有している他の不動産を売却して、資金を調達する場合もあります。

①分割期間について

分割期間は、1年から5年程度が目安となります。

②期限の猶予について

猶予部分について、不利益を解消するために、利息を付加する場合もあります。 これは、分割払についても同様です。

不動産を相続人共同で売却したい場合

不動産を売却するには下記のような手順で進んでいきます。

共有不動産を売却する場合の手順について

1. 不動産仲介業者の選定

まず、不動産仲介業者に仲介を依頼するために、どの不動産仲介業者にするのかを決める必要があります。 もし相続人間で、不動産仲介業者の候補が複数あり、意見がまとまらない場合は、それぞれの相続人が希望する複数の不動産仲介業者に売却を依頼する方法もあります。

2. 選定した不動産仲介業者と媒介契約を締結

選定した不動産業者と媒介契約を締結します。 媒介契約には、①一般媒介、②専任媒介、③専属専任媒介の3種類の契約があります。各契約の特徴は、下記表を確認ください。

  ①一般媒介契約 ②専任媒介契約 ③専属専任媒介契約
自己発見取引
複数の不動産業者との媒介契約
1社のみと契約

1社のみと契約
報告義務 任意 2週間に1回以上 1週間に1回以上

※自己発見取引とは、自身で取引相手である買主を見つけて不動産会社をはさまずに売買取引をすることです。

そうして、不動産仲介業者と売り出し価格を決定する(査定)流れとなります。

3.購入希望者との売買契約を締結

不動産会社に仲介を依頼すると、不動産会社が物件の購入希望者を探します。購入希望者が見つかれば、売買価格等の交渉を行い、条件の合意ができれば、買主の融資審査後、売買契約を締結することになります。

4.決済と所有権移転登記

決済では、買主から代金を受領し、売主から買主への不動産の所有権移転登記をします。 また決済が終了して売却代金が入ってきたら、相続人は、不動産の持分に応じた代金の受領をします。

5.譲渡所得税の申告

相続した不動産を売却すると、相続税とは別に譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税は、不動産を売却した結果、生まれた利益に対して課税されます。 たとえば、土地購入費などの取得費と不動産仲介業者への手数料の譲渡経費が2,000万円だとします。不動産は、5,000万円で売却する場合、差額の3,000万円に譲渡所得税が課税されることになります。 ちなみに、居住していた不動産を売却する場合には、最高で3,000万円までの特別控除があります。 もし、被相続人からすでに居住している不動産を相続した場合、これを売却すると、譲渡所得から最高で3,000万円が控除されます。

共有不動産の売却手続きを弁護士に依頼できます

弁護士に共有不動産売却を委任することも可能です。弁護士が売主全員の代理人として不動産会社との媒介契約、買主との売買契約締結、決済金の受領や登記まで進めていくこともできます。

借地権の相続について

借地権とは、建物を建てるために土地を借りる権利のことです。借地権は、建物を所有する目的で土地の賃貸借契約を締結することで発生します。借地権も相続の対象となります。

借地権の評価について

借地権の価値を判断する場合、相続税評価額で使用される路線価図に記載されている借地権割合を利用するのが一般です。路線価図には、路線ごとに借地権割合が記載されています。借地権がついていない場合の価格である更地の評価額に借地権割合を掛けたものが借地権の評価となります。ただし、相続の当事者が全員同意しなければ、裁判所で鑑定をする必要があります。
また、借地上の建物がアパートなどの賃貸用物件で収益が発生している場合には、もっと計算は複雑になります。なぜなら、収益がある物件の場合は、その土地上の建物からどれだけの収益が見込まれるかという評価方法も取り入れて算定する必要があるためです。

借地権の遺産分割について

借地権の遺産分割は、基本的には土地の遺産分割と同じように考えます。分割方法は、土地と同様に現物分割、代償分割、換価分割、共有分割の中から当事者の合意ができた方法を取ることになります。
しかし、借地権は、地主との契約で成り立っている権利のため、分割の方法によっては地主の承諾が必要な場合があります。

借地権の現物分割

複数の不動産の中に借地権付きの建物があったり、借地権の底地があったりする場合には、現物分割が可能です。複数人の相続人で遺産を現物のまま分けることになるため、1つの借地だけしか遺産がない場合には、借地権の現物分割は、通常できません。

借地権の代償分割

相続人の1人が、他の相続人に代償金を支払って、単独で借地権を取得する方法になります。地主の承諾は特に必要ありません。

借地権の換価分割

相続人が共同で借地権を売却して、代金を分配する方法です。第三者に売却する場合と、地主に売却する(買い取ってもらう)場合があります。第三者に売却する場合には、地主の承諾が必要となります。

借地権の共有分割

借地権を共有分割するという方法もあります。たとえば、相続した借地権付き建物が収益が発生する賃貸物件の場合には、物件と借地権を共有分割することで、物件を共同で管理して賃料収入を分け合うことができます。しかし、共有者全員の同意がない限り、不動産の売買や大規模改修工事をすることができませんし、将来各相続人が亡くなって相続が発生した場合、共有者が増えて権利関係が複雑になるので、あまりおすすめはできません。

不動産の相続問題を抱えている場合には弁護士にご相談ください

不動産が相続に含まれている場合、不動産と相続に関する様々な知識や対処法のノウハウが必要となります。不動産は、現金と違い簡単に分配することができず、その点でも相続人の間でもめてしまうことが多々あります。また、それ以外の問題も不動産には起こりえます。不動産に関する相続問題を抱えていらっしゃる場合には、弁護士に一度ご相談をされることをおすすめします。「こんな相談をしてもいいのかしら」と迷われている場合には、まず一度シーライト藤沢法律事務所にご連絡ください。相談者様のお話をしっかり伺い、弁護士が丁寧なアドバイスと解決までのプロセスを説明させていただきます。



弁護士 阿部 貴之 写真 弁護士法人シーライト藤沢法律事務所

代表弁護士 阿部 貴之

神奈川県弁護士会所属。弁護士登録後、都内総合法律事務所、東京都庁労働局等を経て、平成27年に弁護士法人シーライト藤沢法律事務所を開設。依頼相続トラブルの相談実績は300件を超える。「依頼者の良き伴走者となるために」をモットーに、スタッフと共に事件解決へ向かって邁進中。好きな言葉は「二人三脚」「誠心誠意」。弁護士紹介

イメージ

イメージ

夜間相談受付中!